それは一瞬の出来事でした。
2013年11月10日AM5時頃ホテル階段より転落
テニス合宿で泊まっていた岡山県作東町にあるホテルの部屋には階段がありました。
明け方トイレに行こうと上の階の寝室から下の階のトイレへと向かった際、階段を踏み外し頭から転落したのでした。(後で聞いたのですが、一度電気をつけ、その後すぐ消したそうです。真っ暗に自分でしたんですね。)
慌てて同室の方が降りてきてくれるも意識なし。
しばらく経ってからでしょうか?
「今救急車呼んでいるから!」
すぐそばで語りかけてくれてはいるのだけれど、何かそこは遠い世界。
ボワーッツとした空気が流れていて、からだに力は入らない。
そんな中異変に気づき出た一言
「左足が動かんわ」
救急隊到着!
早速に一言
「トイレに行きたいんですけど」
「そこでしてください」
そりゃ無理やわ…
搬送する病院も決まったようで救急車が動き始めました。
搬送途中で一言
「トイレに行きたいんですけど」
「そこでしてください」
そりゃ無理やわ…
津山中央病院に到着し、宿直医が入ってきた瞬間に一言
「トイレに行きたいんですけど」
「そこでしてください」
そりゃ無理やわ…
このトイレ行きたい問題はカテーテル入れられ解決。
ひとまずホッとしたことを覚えています。
頭部外傷や背傷損傷の可能性があるのだから、体を動かすことはご法度です。
脊髄損傷がある場合、自力で動いたり、体位を変えるだけで症状悪化する危険もあるとのこと。
同部屋の方々、救急隊員の方にも感謝です。
さて診断結果は?
【C6/7での頚椎・頸髄損傷、脳は異常なし】
でした。
左足は動かない。両手指先動かない。
左足は伸びているのに曲がっている感覚(位置覚が欠損している)。
右肋骨辺りから下は、熱い、冷たい、痛いがわからない。
医師からうちのかみさんに「車椅子覚悟してください」と言っているのが聞こえてくる。
一人の医師が近寄ってきて
「前向きな人は良くなる傾向があります。頑張ってください!」
とおっしゃってくださいました。
「あっ、俺大丈夫かな」
診察後一人だけの集中治療室へ
しばらくおとなしくしていないといけないと思うと思わず声が出た。
「うおぉー!」
思いっきり出してみたけど声小さかったな…
きっと肺活量も落ちていた(今も100%戻っていないかも)のでしょう。
状態落ち着いてきたのか、最初の関門は通過できたのか…準集中治療室へ
看護師さんが様子を見に来てくれる。
「左足の曲げ伸ばしがしたい」
硬直しているのか1回目曲げることが非常に硬く重く大変そう。
それでも快く10回20回とやってくださいました。それを何度も。
この初日の手当があったからこそ歩けるようになったのだと思っています。
この病院の看護師さんは正に天使そのものでした。